【社説批評】日米防衛指針(ガイドライン)で自衛隊の活動は世界中に拡大?

社会政治経済

今日の社説は、産経新聞を除き、各社とも日米防衛指針(日米ガイドライン)の中間報告に関するものでした。

集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更に伴い、日米防衛指針(日米ガイドライン)も変更されることになりますが、その中間案を政府が報告したため、新聞各社がこれに反応した形です。社説比較はこちらのページこちらのページから見れます。


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日米ガイドラインに関する社説比較

日米ガイドラインに対する新聞各社の姿勢を整理すると、

【拡大解釈・自衛隊の活動の際限ない拡大を懸念する意見(反対)】
朝日新聞・毎日新聞・東京新聞

【一定の評価をする意見(賛成・中立)】
読売新聞・日本経済新聞

といった具合になります。

今回の日米ガイドラインに係る中間報告のポイント

  • 「平時」「周辺事態(朝鮮半島を念頭)」「日本への武力攻撃」という3種類の事態に分けている従来の区分を撤廃し、「平時から緊急事態までの切れ目ない形」として変更していること
  • ↑に伴い、自衛隊活動に地理的制約が無くなる?懸念あり
  • 集団的自衛権を行使する要件については、最終報告に先送りされたこと

であると考えられます。

これらのなかで最も重要なのは、日米の軍事的協力が行われるケースを3分類していた従前の区分を撤廃し、切れ目ない形で対応出来るようにしようとしている点です。

この点について、朝日新聞・毎日新聞・東京新聞は、新日米ガイドラインによって自衛隊の活動に地理的な制約が無くなり、アメリカが世界中で行う戦闘に日本の自衛隊が加担するのでは?と懸念しているわけです。以下、各社社説の一部抜粋

米軍と肩を並べて攻撃に参加するわけではないが、平時から緊急事態まで「切れ目のない対応」を進め、有事に至る前の米艦防護も可能にする――。新ガイドラインは、その周辺事態の概念を取り払い、地理的制約を外すという。(朝日新聞)

新指針は自衛隊と米軍が「平時から緊急事態まで切れ目のない」協力を行うとしている。米軍支援が、地理的にも内容的にも際限なく拡大する懸念がある。(毎日新聞)

十二月の最終取りまとめを目指す今回の見直しは、中国の軍事的台頭への対応とともに、自衛隊の活動領域を世界に広げることが大きな目的であることは明白だ。・・・中間報告では「周辺事態」という文言が消え、「平時から緊急事態までの切れ目のない形」に改められている。「緊急事態」とは、どの場所で起きて、何を指すのか、全く明らかにされていない。 この指針から透けて見えるのは「地球の反対側」を含め、世界の紛争に介入する米軍を支援する自衛隊の姿にほかならない。(東京新聞)

各社とも、自衛隊の活動に地理的な制約が無くなり、米軍とともに自衛隊が世界中で戦争する姿を想像しているようです。東京新聞は特にこの点を危惧しています。

これに対し、読売新聞・日経新聞は日米ガイドラインの中間報告に対して一定の評価をしています。

・・・・だが、周辺事態の認定のハードルは高く、活用しづらいのは否めない。北朝鮮の弾道ミサイル発射を、海上自衛隊とともに警戒中の米軍艦船にさえ給油できない、といった問題点も指摘されていた。武装集団による離島占拠など、平時でも有事でもないグレーゾーン事態の発生時に、自衛隊と米軍が緊密に連携し、効果的に対応する制度を整えることが急務だ。・・・・日本周辺での日米共同の警戒監視活動を円滑にし、双方の信頼関係を高めると評価できる。(読売新聞)

現行の指針は日本の状態を、平時、有事、その中間にあたる「周辺事態」の3つに分け、それぞれの協力を定めている。中間報告ではこの分類の垣根を取りはらい、事態がどのように変化しても、日米の協力が途切れないような仕組みをつくることにした。 この路線は理にかなっている。日本は有事ではないが、平時ともいえない、「グレーゾーン」の危機に見舞われる危険が高まっているからだ。緊張が続く尖閣諸島の情勢もその一例だ。サイバー攻撃や大規模テロのように、瞬時にやってくる脅威もある。・・・・だが、気がかりな点も少なくない。日本は集団的自衛権を使い、何を、どこまで担うのか。中間報告では具体策が記されていない。(日経新聞)

この2社は、平時でも有事でもないいわゆるグレーゾーン事態へ迅速に対処するという観点から、今回の日米ガイドライン中間報告の内容は評価できるとしています。ただ、日経新聞は、集団的自衛権行使の拡大について懸念は一応表明しています。

 

日米ガイドライン見直しの目的って何?

今回の日米ガイドラインの見直しには、当然ですが日本側・アメリカ側双方に思惑があります。

その思惑とは

【日本側の思惑】
グレーゾーン事態に対しても日米の軍事的協力がなされるとすることで、中国による尖閣諸島周辺の挑発への一定の抑止力になるとともに、尖閣諸島で実際にグレーゾーン事態が発生した場合に迅速に対処でき、日本の領土を守ることが出来る。
また、尖閣諸島に限らず、グレーゾーン事態が起これば、自衛隊と在日米軍が出動することを知らしめることで、不要な挑発の抑止になる。

【アメリカの思惑】
日米同盟のアジアでの抑止力を強めることで、アジアでの軍事的負担を軽減したい。アジアに限らず、米軍が加わる紛争に自衛隊に後方支援等の面で協力してもらいたい。

というものではないでしょうか。
アメリカ側の思惑はさておき、日本がグレーゾーン事態へ迅速に対処出来るようする法整備・ガイドライン整備は急務です。

尖閣諸島が中国に占領されてしまってからでは遅いからです。

また、尖閣諸島でのグレーゾーン事態に対して、日本とアメリカが協力して対処することを明確に打ち出すことで、中国の尖閣諸島沖での挑発を抑止し、結果的に紛争の防止に繋がります。

しかし一方で、朝日新聞等が「自衛隊が世界中でアメリカの戦争に加担するのでは?」と懸念するのも分かります。


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新・日米ガイドラインで自衛隊は世界中で戦争する?

新聞各社が懸念している点を分かりやすく言えば、

「日本がまた戦争をしてしまう!」

ということだと思います。アメリカが起こす戦争に「協力」という名目で、自衛隊が加担してしまうことを心配しているわけです。

では、新・日米ガイドラインによって、自衛隊は世界中でアメリカの戦争に加わることになるのでしょうか?
この点について私は、

今の日米の力関係では、十分に可能性はある

と考えます。

なぜなら、日本の国防は、アメリカの軍事的抑止力に大きく依存しているからです。

分かりやすく言えば、アメリカに対して、はっきりと「NO!」と言えないからです。

 

日本の政治家が「今回のアメリカの戦争には大義はない」と考えても、

アメリカに

「はぁ!?お前何言ってんの!?」

と凄まれれば、

「はい!すいませんでした!従わせて頂きます!」

となってしまうのが、今の日本。

 

日本が世界で戦争を再び起こさないためには、アメリカ追従をやめられるだけの国力・外交力を身に付けることが必要だと思います。

そのためには、日本の国防は日本単独で達成できることが必要。

そのためには、国防力を高めることが必要。

そのためには、日本が「普通の国」になることが必要。

・・・というように、憲法9条を改正する流れになって、リベラル派からは反発を買うような結論になってしまいます。

 

しかし、日米ガイドラインの最終報告では、

日本の集団的自衛権行使の要件について、かなりの制約をつけることが予想されます。

与党公明党が歯止めをかけると考えられるからです。

安部首相も、最終的には現実的な判断をするのではないでしょうか。

 

ですから、自衛隊がアメリカの戦争に世界中で加担してしまう、ということは現実的には無いと考えます。

あなたはどう思われますか?


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