御嶽山噴火の生還者を悩ます罪悪感「サバイバーズ・ギルト」とは

社会政治経済

御嶽山の噴火から生還した人々を苦しめる罪悪感:サバイバーズ・ギルト

多数の犠牲者を出した御嶽山噴火災害。今もなお自衛隊による懸命な捜索活動が続いています。

死者の数は、戦後の噴火災害としては過去最悪となり、火山監視体制に批判が集まるとともに、活火山の恐ろしさを物語っています。

今もなお、報道で新たに死亡が確認されたというニュースを聞きます。中には小学生の犠牲者もいて、被災者や遺族の心情を想像するだけでも心が痛みます。

また、奇跡的に今回の噴火災害から生還した方々もまた、ある罪悪感に苦しんでいるようです。

その様子を伝えているのがこちらのニュース(引用元

御嶽山の生還者の精神状態が懸念されている。長野県によると、災害などで大きなストレスを受けた際に不眠や心身の不調などが起きる「急性ストレス反応」を訴える人が複数いるという。突然恐怖の記憶がよみがえる心的外傷後ストレス障害(PTSD)を引き起こす恐れもあり、心のケアが課題だ。

・・・(中略)・・・生還者らは転院や帰宅などで各地に分散。継続的な支援が難しい飛行機事故やホテル火災と同様のケースでもある。県は国を通じ、地元に戻った生還者らから相談を受け付けるよう全国の自治体に呼びかけた。

福島県立医大の前田正治教授(災害精神医学)は「家族や友人を救えなかった生還者は1人生き残ったことに罪悪感を抱く。分散した生存者救済のネットワーク作りが重要だ」と指摘している。

今回の御嶽山噴火で生還するためには、正しいルートで黙々と下山することが必要だったと言われています。

その中で、「家族や友人、他の登山者を救えなかった」という罪悪感を抱く可能性が強いということのようです。

この生還者が抱く罪悪感は、「サバイバーズ・ギルト」と言い、災害や戦争、事故などで生き残った人々を長くにわたり苦しめます。

衝撃的な出来事は、その出来事から時間がたっても「フラッシュバック」として脳裏に突然浮かんできます。

そのフラッシュバックをキッカケとして、「どうしてあの時助けられなかったのか・・・」という罪悪感を抱く。これがサバイバーズ・ギルトです。

冷静に考えれば、助けることは客観的に不可能だったと分かっていても、フラッシュバックの度に罪悪感に襲われるため、種々の心理的な症状が起こってしまうそうで、これをサバイバーズ症候群と呼びます(サバイバーズ・ギルトについての詳しい情報はこちら。)

 

上のニュース記事でも、「生還者に対する継続的なケアが必要」と主張されていますが、生還者は全国に分散している以上、県でなく国による対策が必要だと考えられます。

時間が経てば、生還者ご本人は「大丈夫」と言うでしょう。

しかし、サバイバーズ・ギルトは長年に渡り突然襲うもののようですから、記事内でも書かれていたように、国主導で支援ネットワークを作り、定期的に生還者に対し訪問などのコンタクトを取ってケアをしていく必要があるのではないでしょうか。

 

噴火からの避難の際の「正常性バイアス」や、生還した後の「サバイバーズ・ギルト」。

人間の精神・心理というのは、人間のモノであるにもかかわらず、憎たらしいほどにコントロールが難しい。

 


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