ソフトバンクの米アニメ制作会社買収のメリットとは?ソフトバンクの負債レベルがやばい

社会政治経済

ソフトバンク(Softbank)が、アメリカのアニメーション制作会社「ドリームワークス・アニメーション」の買収を進めていることが判明しました。

ニュース記事がこちら(Yahoo!ニュースより引用)

ソフトバンクが、米アニメ制作会社ドリームワークス・アニメーションを買収する方向で交渉に乗り出したと、複数の米メディアが27日報じた。米誌ハリウッド・リポーター(電子版)によると、ソフトバンクが提案した買収額は34億ドル(約3700億円)。(時事通信)

ソフトバンクが正式に発表したわけでは有りませんが、複数のアメリカメディアが報じていることから、情報の信ぴょう性は高いのではないでしょうか。


スポンサード・リンク

ドリームワークス・アニメーションは、映画『シュレック』で有名なアニメ制作会社ですが、最近はヒット作が出ず、経営が逼迫しているようです。

ドリームワークス・アニメーションのアニメには、『シュレック』の他、有名どころでは『アンツ』『カンフー・パンダ』『マダガスカル』などがあります。

アニメ映画制作会社としては大手ですが、やはりディズニー・ピクサーと比べると見劣りしますよね。

それでも、売上高は7億ドル(約700億円)を超え、総資産も約18億ドル(1,800億円)ですから、大企業です。

2004年に公開された『シュレック2』などは、興行収入が9億ドルにも登りましたから、投資先としては魅力的なのかもしれません。

 

ソフトバンクといえば、昨年7月にアメリカで第3位の携帯通信会社スプリントを買収したことが大きく取り上げられました。

スプリントの買収額は、およそ1.8兆円でした。

そしてこの買収資金のうち1兆2,000億円は、銀行からの借入金です。

今回のドリームワークス・アニメーションへの投資が自己資金(内部留保)で行われるのか、新たに借入れを行って行われるのか定かでは有りませんが、ソフトバンクの買収戦略にはいつも驚かされますよね。

 

負債のメリットをフルに活用した買収戦略です。

その結果、ソフトバンクの負債の水準はかなり高くなっています。

2014年3月末時点の、連結ベースのソフトバンクの有利子負債は約10兆円(総資産は約16.7兆円、売上高は約6.7兆円)です。

売上高が同レベルの上場企業、例えば東芝の2014年3月末時点の連結ベースの有利子負債は約1.5兆円(総資産は約6兆円、売上高は約6.5兆円)です。

業態が異なるとはいえ、いかにソフトバンクが負債を利用しているか?が分かる指標だと思います。

 

そもそも、ソフトバンクの歴史は、「買収の歴史」と言ってもいいかもしれません。


スポンサード・リンク

 

孫さんが、ソフトバンクの前身となる会社を立ち上げたのが1981年。

ソフトバンクはもともと、コンピュータやPCソフトウェアの卸売業を主な事業としていました。卸売業で成功した実績を元に、1994年に株式を店頭公開し、その資金を元にM&A(企業買収)や投資を積極的に行っていきます。

 

象徴的なのが、1996年に米Yahoo!と合弁でYahoo!JAPANを設立したことです。

これには多額の資金を投入したことが知られていて、Yahoo!がコケていたらソフトバンクという会社は今は無かったかもしれません。

次の大きな投資は、2006年のVodafone日本法人の買収です。

Vodafone日本法人の買収には、実に1.75兆円もの資金が投じられました。

Yahoo!JAPAN設立の際と同様、「コケたら終わり」の大きな賭けに出たのがVodafone買収でした。

買収当初は、「孫さん、今回はさすがにやり過ぎだろう・・・」という意見が多かったようです。それくらいリスクの高い投資だったのですね。

 

この投資の結果は、皆さんご存知の通り、大成功。ソフトバンクはdocomoやauのシェアを食いまくり、今でもその勢いは続いています。

そして、2013年にアメリカ携帯通信会社第3位のスプリントの買収。これも、Vodafoneと同レベルの規模の投資です。

日本で成功した、携帯通信会社経営のノウハウが、アメリカでも通用するのか否かが問われています。

 

で、今回のドリームワークス・アニメーションの買収。

矢継ぎ早に投資をガンガン行う。

金が無ければ、借りてくる。

ものすごい攻撃的な経営で、他の日本企業にはない姿勢ではないでしょうか。

 

ところで、借入金って日本では「悪」のイメージがありますが、メリットが結構あるんですよね。

企業が事業に投資をする際には、その資金源は基本的には3種類しかありません。

それは、

1.内部留保

2.新株発行

3.借り入れ(社債の発行を含む)

内部留保とは、これまで企業が蓄えてきたお金を使うイメージです。新株発行とは、株式を新たに発行して、その株式を投資家に買ってもらうことで資金を得る資金調達方法です。

そして、借り入れとは、銀行借り入れや社債の発行です。

新株発行で得た資金は、投資家に返す義務はありません。一方、借入金は当然ですが債権者に返済する義務があります。

これだけ聞くと、新株発行の方がいいじゃん!と思うのですが、必ずしもそうではありません。

それは、株主が要求する利益よりも、債権者が要求する利益の方が少ないからです。

 

株主には、利益が出ているのであれば、基本的に毎年配当金を支払う必要があります。これが「株主が要求する利益」です。資本コストともいいます。

一方、債権者には、利益が出ていようが出ていまいが、利息を払う必要があります。これが「債権者が要求する利益」です。負債コストともいいます。

一般的に、資本コスト > 負債コスト となることが知られています。

例えば、投資した事業が大成功した場合、株主は「いっぱい配当金をよこせ!」と言ってきますが、借入金の債権者はそんなことは言いません。

また、借入金の場合、完済したら債権債務関係は解消し、その後利息を支払う必要はありません。

しかし、株主は違います。株主が株式を持っている限り、「配当金よこせ!」と言い続けます。

 

ですから、新規事業に投資する場合には、負債を最大限活用すると、企業の利益は最大化します。

しかし、借入金があるだけ倒産リスクも高まるので、一長一短となります。

その点、ソフトバンクは負債を最大限利用して、規模を拡大していく戦略を採っていることが分かります。

まさに攻撃的経営です。

 

負債を返済出来なければ、その会社は倒産してしまいます。

Vodafone日本法人の買収の際には、孫さんも倒産リスクを覚悟しての「一世一代の」投資だったと思います。

しかし、スプリントへの投資は、その時の投資とは異なります。

日本の携帯通信事業という長期的・安定的に収益が見込める事業を既に手に入れている状況下での投資だからです。

そして、「ソフトバンクを世界的企業にする」という意思が明確に伝わってくるからです。

 

今回のドリームワークス・アニメーションの買収も、孫さんの「世界進出」の戦略の一環なのでしょうか。

ソフトバンクは一体どこまでいくのか、個人的に楽しみです。

というか、孫社長がどこをゴールにしているのか?とても興味があります。

 

「ソフトバンク嫌い」の日本人は結構いるかと思いますが、

ソフトバンクがトヨタのような世界的企業になったら、嬉しいですよね。

もしかしたら、トヨタ超えもあるかもしれません。

なんにせよ、まだ創業から30年の会社ですから。そのポテンシャルは計り知れません。

 

 

と、ソフトバンクをヨイショしたところで、クレームをば。

「ソフトバンクの電波、たまにめっちゃ遅い!!」

あんまり遅いと、docomoかauに替えちゃうよ!


スポンサード・リンク

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

0 comments