「耳掃除はしない方が良い」は本当。耳かきしすぎて難聴になった僕が理由を解説してみる

耳掃除って気持ちいいですよね。

とくに耳かきを使うと軽く中毒性のあるような快感が得られるので、癖になって毎日欠かさない方も多いのではと思います。

私もかなりの「耳かき中毒者」だったのですが、耳掃除のやり過ぎが原因で難聴になり耳鼻科に行くハメに。

そこで耳鼻科の先生から耳掃除とかしなくていいです。不要なんで。というショッキングな指導を受けてしまいました。

耳かき中毒者としては「はい、分かりました^^ 今後は一切やりません!」などと簡単に受け入れられるわけもなく、耳鼻科医が言い放った「耳掃除不要論」は本当なのか?を徹底的に調べてみました。

すると残念なことに、「耳掃除はしない方が良い」という説にはかなり強い根拠があることがわかりました。

ということでこの記事では、耳掃除(耳かき)はしない方がよいと言われる理由について詳しく書いてみたいと思います。

「耳掃除はしなくてよい」とか言われても、いやいや、さすがにやらないのはマズイっしょwのように感じてしまう方でも、読めば考えが変わるかもしれません。

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耳掃除は不要と言われる理由・根拠

「自分で耳掃除する必要はない」の根拠をまとめると、こんな感じになります。↓

耳垢は実は大事な役割を担っているから、奥の方の耳垢は取ってはいけない。

というか、素人が自分だけで奥のほうの耳垢を取りきろうと思っても無理。

むしろ耳垢を奥に追いやって、色んな不調・症状の原因になる。

耳垢は奥のほうから入口に向けて自分で出てくるんで、掻き出さなくてもOK。

ということで耳掃除は不要。

こう言われて納得できる耳かきユーザーは少ないと思うので、詳しく見ていくことにします。

耳垢を全部取ったらどうなる?

まず、「耳垢は大事な役割を負っている」という点について。私もまったく知らなかったのですが、耳垢には次のような機能があると言われています。※1

  • 耳の薄い皮膚を保護する
  • 抗菌作用を持つので雑菌の繁殖を防ぐ
  • 小さなゴミ・ホコリをキャッチして異物の侵入を防ぐ

要するに、耳垢は「不要なもの」などではなく、耳の健康のために必要不可欠なものというわけです。

耳垢は「耳くそ」と呼ぶこともあるくらいですから、鼻くそやウンチのように全部出したい!と思ってしまいがちです。

ですが、仮に全部取りきってしまったら上述の機能が無くなり、耳は完全に無防備な状態になってしまいます。

なので、奥のほうの耳垢まですべて取らないといけない!とか思う必要はまったくないということです。

※1参照沖縄県医師会_耳垢の話-沖縄県医師会 健康の話

自分でする耳掃除は実はかなりリスキー

というかそもそも、素人が耳の奥のほうの耳垢まできちんと取ることは不可能だそうです(主治医の耳鼻科医師談)。

奥のほうの耳垢を取りきるには、耳鼻科医の先生に専門器具を使った耳掃除をしてもらうしかありません。

そして、無理に自分で耳掃除をしてしまうと・・・

  • 耳垢をさらに奥の方に追いやってしまう。
    → 耳づまり(耳垢栓塞:じこうせんそく)が起こり難聴につながる。
  • 耳の中の皮膚を傷つけて炎症を引き起こす。
    → 耳垢の量が過剰になる原因となる。
  • 鼓膜損傷などの思わぬ事故が起こる。

のようなリスクがあります。

自分で頑張って耳掃除しまくるのは実はかなりリスキー、ということです。

そもそも耳垢は自動で出てくる

とはいっても、耳の中で出来た耳垢はそのままにしておいて良いの?という疑問が生じますよね。

自分で取らないと耳の中が耳垢でいっぱいになって詰まっちゃうんじゃないの?という不安です。

これについては心配は不要です。

というのも、耳の中の皮膚(外耳道上皮)は鼓膜側から入口の方向にゆっくりと移動していて、耳垢もそれに乗ってゆっくりと入口のほうに出て来るからです。

なので、耳掃除をしなくても耳垢で耳が詰まる!という事態にはならないわけです。

耳を持つ他の動物は自分で耳掃除とかしませんが、彼らは耳垢で難聴になったりしません。

こう考えると、「耳掃除は本来的にまったく不要」という説はかなり説得力があると感じます。

参照耳垢との付き合い方-川合耳鼻咽喉科

さて、ここまでのお話をまとめますとこんな感じになります。↓

  • そもそも耳の中の耳垢は取ってはいけない。
    ← 耳の健康維持のために大切な機能を持つから。
  • 耳垢は自然と外に出てくる。
    ← だから、無理に中から掻き出す必要はない。
  • 無理に中の耳垢を取ろうとするのはリスキーな行為
    ← 耳垢栓塞や炎症の原因となる。

日米の耳鼻咽喉科学会も「耳掃除は不要」と言っている

以上の内容と同じようなことを日本とアメリカの耳鼻科医の学会が言っています。

まずは、日本耳鼻咽喉科学会の耳垢に関するQ&Aページから一部引用します。↓

耳垢は外耳道の入り口近くにたまります。また、個人差はありますが、少しずつ入り口のほうに移動してきます。

ですから、耳掃除は綿棒などを使って見える範囲のものを無理せずにとるようにしてください。耳の中をあまりいじると、耳垢を奥に押し込んだり、外耳道を傷つけます。


【声と聞こえのQ&A】<耳垢>– 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会HP

簡単に言えば、「ほっといても出てくるから、中まで掃除すんな!」ということですね。

次に、アメリカの耳鼻咽喉科学会のウェブサイトから一部引用します。↓

Your body makes earwax to protect your ear canal skin and kill germs. It is
normal to have it.
【和訳】人体は外耳道の皮膚を守ったり殺菌するために耳垢を作り出します。耳垢があるのが普通の状態なのです。

(中略)

Most people do not need a regular schedule for preventing earwax buildup.
Some people may need to have their ears cleaned at times.
【和訳】ときどき耳掃除をする必要がある人もいますが、ほとんどの人は定期的に耳掃除をする必要はありません。

(中略)
Most people do not have to do anything unless too much wax develops.
【和訳】ほとんどの場合、耳垢が過剰に生じてこない限り特に何もする必要はありません。


PATIENT INFORMATION Frequently Asked Questions: Earwax Prevention– AMERICAN ACADEMY OF OTOLARYNGOLOGY cobranded-cerumen_faq.pdf

アメリカの耳鼻科医学会は耳掃除に対してさらに否定的ですね。「特に何もしなくてOK」ということを言っています。

以上が「耳掃除不要論」の根拠です。

毎日何十人もの耳を診ている耳鼻科医の先生方が「耳掃除は自分でするな」と言っているんで、たぶん確実にしない方がいいのだと思います。

耳掃除中毒で耳かきヘビーユーザーの私としては、とても残念な調査結果となりました。

そうは言っても耳掃除がしたいんだが?

私のような目先の快楽に弱い人間ですと、論理的に耳掃除が不要だと分かっていても、耳かきで耳の中をガシガシ掃除したくなります。

これにはおそらく2つの理由があります。それは、

  1. これまでしてきた耳掃除のせいで「悪循環」に陥っているから
  2. 脳みそが耳かきの快感を欲しているから

の2つです。

無性に耳かきをしたくなる理由がハッキリすれば、耳掃除の悪癖から解放されるかもしれません。

ということで、この2つの理由について少し詳しく見てみましょう。

耳掃除のやりすぎがさらなる耳垢を生む「悪循環」

耳の中の皮膚は薄くかなり繊細ですから、素人のわたしたちが直接見ずに耳かきで掃除すると、高確率でその皮膚を傷つけてしまいます。

耳の中の皮膚が傷つくと、それが原因で耳垢がさらに生じやすくなってしまいます。

すると、ますます耳掃除の頻度が増えてエスカレートしてしまうわけです。

さらに、傷ついた皮膚から浸出液(つゆ)が出てきてジクジクとした湿疹が起こりますし、耳かきや綿棒に付着した雑菌が耳の中で繁殖して炎症も起こります。

湿疹・炎症が起これば耳の中の痒みや不快感が増しますから、耳かきを耳の中に入れたくなってしまいます。

このような感じで、

不要な耳掃除をしてしまう

耳垢の増加・耳の湿疹・炎症(外耳道炎・外耳道湿疹)の発症

耳の中の痒み・不快感が増す

耳の中が気になるので耳掃除がエスカレートする

さらに湿疹・炎症が悪化する

・・・

というふうな悪循環に陥ってしまうわけです。

以前の私はまさにこの悪循環にどっぷりハマっていて、綿棒や耳かきで耳掃除してもすぐにまた大量の耳垢が出来てしまう状態でした。

頻繁に(ほぼ毎日)奥のほうまで耳掃除をしていたため、最終的には耳垢が鼓膜の目の前の細い部分を完全にふさいでしまい、耳が聞こえにくくなってしまったのです。

「耳垢の量が多すぎるように感じる」・「耳の中が痒い」・「耳から血や浸出液が出る」という場合、耳掃除のやりすぎが原因で外耳道炎や外耳道湿疹を発症している可能性が高いです。

耳鼻科に行って適切な処置をすれば、このような炎症・湿疹は短期間で治ります。

痒みや不快感がなくなれば、耳掃除が無性にしたくなる悪循環から抜け出すことが出来るはずです。

耳かきの快感は性感帯のソレと同じ?

痒みや不快感の解消とは関係なく、耳かきを耳の中に入れると何だか気持ちがいいですよね。

じつは、「耳掃除の快感は、脇の下や性感帯をくすぐるのと同じ理屈で起きている」という説があります。

耳垢を作り出す耳垢線はアポクリン腺という汗腺でして、アポクリン腺は乳輪や脇の下などの性感帯にも存在します。

耳かきの快感も性感帯で感じる快感も、アポクリン腺への刺激が快感に繋がっているのではないか、という考えです。

この説が正しいかどうかについては深追いしませんが、個人的にはなんとなく納得出来る気もします。

参照耳掃除を考える-耳鼻咽喉科 清水おかべクリニック

「耳かき欲求」を無くす方法

無性に耳掃除をしたくなる2つの理由がわかれば、「耳かきしたくて仕方がない!」というような欲求を抑える方法もわかります。

  1. 耳鼻科で耳の中の湿疹・炎症を治療する。
  2. 耳かきを捨てる

ということをすればOKです。

まず、過剰な耳掃除による悪循環に陥っている場合、耳鼻科に行って奥のほうに追いやってしまった耳垢をキレイに取ってもらい、炎症・湿疹があるのであれば適切な治療を受けて治してしまいましょう。

そうすれば、耳の中の痒み・不快感からくる耳掃除の欲求はなくなります。

次に、「単純に耳の中を耳かきでイジると気持ちいい!」という快感への対策。

この対策については色々と考えたのですが、シンプルに「耳かきを捨てる」というのが最も効果的だという結論に落ちつきました。

耳かきが無ければ、耳掃除で「ゾワッ」とするような快感を得ることは難しいはずです。綿棒だとちょっと違うんですよね。

耳かきを捨てて耳掃除の快感からしばらく離れると、不思議とそこまで耳掃除をしたくなくなります。

単純ですが結構おすすめの方法です。

耳掃除の目的ってなんだ?

以上、「耳掃除はする必要がない」と言われる理由の解説と、「そうは言っても耳かきしたくなるんだよね・・・」への対処法でした。

最後に、耳掃除をする目的についてちょっと考えてみたいと思います。

上でもお話ししましたが、耳垢はウンチや鼻くそと同じような「汚くて不要なもの」ではありません。耳垢には耳を保護する機能があるからですね。

耳の奥のほうにある耳垢まで取り除きたい!と思ってしまうのは、耳垢に対する認識が間違っているからだと思います。

わたしはまさしくこのパターンで、耳垢は全部取りきらないと不潔!くらいに思って耳かきを頑張ってしまってました。

人間以外の動物がそうしているように、耳垢はそのままにしておくのが正解なのは上で書いたとおりです。

「耳垢という不潔で不要なものを除去する」という目的で耳掃除をするのは完全に間違っています。

とはいえ、人間は他の動物とは決定的に違う点があって、それは「身だしなみを気にする」ということです。

耳垢は放置が正解!と言われても、耳の穴から耳垢がヒョッコリ顔を出しているのはちょっと格好悪いですし、周囲の人に与える印象もかなり悪いです。

なので、日本耳鼻咽喉科学会のQ&Aページでも書いてあるように、見える範囲まで移動してきた耳垢は綿棒で優しく取るという程度の耳掃除は必要だと思います。

この耳掃除は、あくまでも身だしなみを整えるという目的です。

耳鼻科医の先生がすすめている「正しい耳掃除の方法」とは具体的にどんな感じのものか、↓のページでまとめています。ごらんください。

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まとめ

つい最近まで「耳かきってサイコー。」って思っていた人間が偉そうに耳掃除不要論についてお話ししてしまいましたが、耳かきのやり過ぎは冗談抜きでやめたほうがいいです。

わたしのように耳垢詰まりによる難聴になるだけでなく、めまいや肩こりの原因になるとされていますし、身体の慢性的な不調に繋がるという考えもあるからです。

この記事がそのキッカケになれば幸いです。

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