【シリーズ『集団的自衛権』4】PKO派遣の自衛隊には集団的自衛権がそもそも無いらしい。

社会政治経済

このところ大きな話題になり、国民的な(?)議論が巻き起こりつつある集団的自衛権。

このブログmjdsk.jpでも【シリーズ『集団的自衛権』】として、記事を投稿しています。

 

今回、安倍首相が集団的自衛権行使を限定的に容認したい理由のうち、最も大きなものは、

「一方的な日米同盟を、少しでも対等な関係にすること」

である、と私は思っています。


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日本領域周辺の有事の際に、日本にまだ直接的な危害が加えられていない場合であっても、

同盟国であるアメリカが他国に攻撃されれば、一緒に反撃できるようにする。

それが、今回の集団的自衛権行使の限定容認の目的だと言えます。

 

また、自民党と公明党は、PKOに派遣された自衛隊が今まで行えなかった、いわゆる「駆け付け警護」について、容認する法改正を行う方針であることが明らかになりました。

この点については、前回の記事【シリーズ『集団的自衛権』3】でお話しております。

 

PKOに派遣された自衛隊が、現地の武装組織に攻撃されているPKO要員や他国部隊を助ける行為(いわゆる「駆け付け警護」)は現状の法体系では出来ない、とされています。

この話は、結構有名で、自衛隊は攻撃されている他国部隊を見殺しにする他ない、それでは国際的な責務を果たせない!と問題になっていました。

 

ではなぜ、自衛隊は駆け付け警護が出来ない、とされているのでしょうか。

私は、「これまで自衛隊は憲法9条の制約で、集団的自衛権の行使が出来ないから」という理由だと思っていたのですが、

今回勉強をすることで、どうやらそうではない、ということが分かりましたのでシェアします。

 

そもそも、PKOに派遣された他国部隊は、国連要員であって他国軍ではない

PKOとは国連平和維持活動のことで、国連加盟国が部隊を出し合って、紛争地帯の平和を守る活動のことです。

その際に派遣される部隊は、PKOに派遣された時点で、その国の軍隊ではなく「国連の要員」となるそうです。

そう解説するのは、防衛省防衛研究所所長のこの文章(一部抜粋)↓

我が国PKO部隊が「他国の要員を守れない」のは、集団的自衛権を行使できないからではない。なぜなら、他国の要員に対する攻撃は、国連に対する攻撃であって当該他国への攻撃とはみなされないので、相手の如何に拘わらず、第三国が集団的自衛権を主張する余地がないからである。

文章引用元

 少し文章が難しいので解説します。


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普通の戦争であれば、国対国の戦いです。

A国+B国 v.s. C国+D国

みたいな。

B国は、同盟国であるA国が相手から攻撃を受けた場合、集団的自衛権を行使し、C・D国に対して反撃します。

 

しかし、PKO派遣部隊の場合、そうでは無いのです。

構図は、以下のとおりになります

現地武装組織(国or国に準ずる組織)v.s. 国連(国際連合平和維持軍、PKF)

PKOに参加する他国部隊と自衛隊の間には同盟関係は無く、集団的自衛権はそもそも無い、ということです。

PKOに参加する他国部隊への攻撃はすなわち、国連への攻撃を意味します。

日本と国連の間には同盟関係はありません。

ですから、集団的自衛権も無い。

こういう論理です。

これは日本だけでなく、PKOに参加する他国の場合も同様です。

各国の部隊は、自衛あるいは正当防衛の範囲でしか実力行使は認められない。

集団的自衛権はそもそもないのです。ですから、そのままでは他国部隊を助けることが出来ない。

だから、各国はPKOに関する法律を整備し、いわゆる「駆け付け警護」が出来るようにしているわけです。

 

自衛隊がPKO活動に際して、他国部隊を助けることが出来ないのは、憲法解釈によって集団的自衛権行使が認められていないからではなく、

そもそもPKO派遣部隊に集団的自衛権が備わっていないからなのです。

従って、PKOに派遣されている自衛隊の「駆け付け警護」について議論するときには、我が国の憲法(9条)は切り離して考えることが必要になるわけです。

 

現状の法律体系では、日本の自衛隊はこの駆け付け警護が出来ません。

なぜなら、PKO協力法がそうなっているから。

他国部隊が近くで武装組織に攻撃を受けている場合に、自衛隊が駆け付けて助けることが出来ないとしたら、

それはPKOの目的達成の足かせになるどころか、日本に対する国際的な非難を巻き起こしかねません。

ですから、駆け付け警護は出来るようにしなければなりません。

 

そのため、今回の集団的自衛権行使の限定容認と”合わせて”、PKO関連法の改正をして、

自衛隊の駆け付け警護を可能にする。

これが、政府の方針です。

 

自衛隊の駆け付け警護は、憲法による制約で出来なかったわけではない。

PKO関連法の「不備」により不可能だっただけ。

今回、「たまたま」集団的自衛権行使の限定容認と同じタイミングで、PKO協力法を見直す。

こういうことだと思います。


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