1億円に減資のシャープの株価が急落。減資で株式の価値はどうなる?

シャープリストラ

資本金を1億円に減資する見込と言われているシャープですが、

今回の大幅な減資に鋭く反応したのが、シャープの株価です。

月曜日(5月11日)の東証市場では、市場が開いた直後からシャープ株式に売りが殺到しました。

先週末の終値が258円だったのに対し、昨日の始値は178円。

シャープの株価は取引開始直後に80円も急落したことになります。

それだけ、投資家は今回のシャープの減資に関して、シビアな評価をしているということですね。

(上記画像:”Sharp Head Office” by Otsu4投稿者自身による作品. Licensed under CC 表示-継承 3.0 via ウィキメディア・コモンズ.)

ただ、シャープは今回の「1億円に減資」報道に関して、以下のような公式コメントを発表しています(引用元:Yahoo!ニュース)。

資本政策については、優先株式の発行や減資を含めた様々な検討を進めておりますが、決定した事実はありません。

つまり、

資本金を1億円に減資するのは、まだ決定じゃないよ。

とシャープは言っているわけですね。

しかし、日経新聞など複数の報道機関が一斉に報道していますから、ある程度のウラが取れていると考えられますから、シャープが減資に踏み切る可能性はかなり高いと言えます。

 

さて、シャープが1億円に資本金を減資することに関して、シャープ株価は鋭く反応して急落してしまいましたが、

本来は、今回のシャープの資本金減資によって株式の価値は変動しません。

この記事では、資本金の減資と株式価値の関係について見ていきたいと思います。


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資本金を減額しても、株主資本の額は変わらない

今回、シャープは資本金を減額する見込と言われていますが

減額した資本金の額は、利益剰余金に振り替えられる

予定のようです。

どういうことでしょうか?

これについて見ていく前に、資本金とは?利益剰余金とは?について整理しておきます。

資本金とは?利益剰余金とは?

資本金とは?利益剰余金とは?については、シャープ減資に関する前回の記事『シャープが資本金を1億円に減資する理由・狙いとは?』で詳しく説明していますが、ここでも簡単にご説明します。

資本金は、簡潔に言えば、株主がシャープ株式を取得する際に払い込んだ金額のことです。

資本金の額は、あくまでも計算上の額であり、実際の会社財産とは直接的な関係はありません。ただし、会社財産が資本金の額を下回る場合には、株主への配当が出来ないなど、会社財産の流出を防ぎ、債権者の保護を果たす役割を持っています。

利益剰余金とは、簡単にいえば、会社が設立から今までに蓄えた利益の総額のことで、俗に累積利益とも言われます。

今回、シャープは資本金を減額して、その金額を利益剰余金に振り替える予定と言われています。

その目的は、当期以降に発生する見込の純損失で、このままだと利益剰余金がマイナスになってしまうからです。

利益剰余金がマイナスになると、色々な不都合があるので、事前に資本金から利益剰余金に振り替えておいて、マイナスにならないようにする方針を取るわけですね。

 

さて、話を株式価値に戻しますが、資本金を減額して利益剰余金に振り替えても、株主資本の中の振替であるため、株主資本の額は変動しません。

つまり、計算上の株式価値は変動しないわけです。

次に、株主資本とは?について見ていくことにします。

株主資本って何?

株主資本とは、イメージ的には

会社財産のうち、株主に帰属する額

のことです。

これは、貸借対照表(B/S)をイメージするとわかりやすいです。

会社の資産から、会社の負債を差し引いた金額を「純資産」といいますが、

この純資産のうち、会社が保有する有価証券の評価差額や、子会社の少数株主の持分を差し引いた金額が株主資本となります。

図にすれば、以下のようになります。

株主資本とは

株主資本は、資本金・資本剰余金・利益剰余金から構成されます。

今回、シャープは資本金を1億円にまで減額して、その額を利益剰余金に振り替える見込みですが、

この振替を行っても、株主資本の額は変わらないことは、上の図を見るとイメージが付くかと思います。


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計算上の株式価値は変わらない

そして、株主資本の額は、その会社の株主に帰属する額を意味しますから、

株主資本の額が変わらないということは、株式の価値も変わらないということを意味します。

ただし、この場合の「株式の価値」とは、あくまでもB/Sから算出した「計算上の価値」であって、市場価格(時価)とは別物です。

なぜ、シャープの株価は下がったのか?

以上のように、資本金を1億円に減額してその額を利益剰余金に振り替えても、株主資本の額は不変ですから、計算上の株式の価値も変わりません。

しかし、実際には東証でのシャープ株価は急落しました。

それはなぜでしょうか?

株価は、企業の財政状態(B/S)や経営成績(P/L)だけで決まるわけではなく、実際には投資家の売買の結果、値が決まります。

今回、

シャープの資本金が1億円になる!

というショッキングな報道を受けた投資家が、

シャープ、やばくね!?

という思い、保有するシャープ株式を手放した結果、シャープの株価は急落したと考えられます。

実際には、減資によってシャープの株主資本は変動せず、株式価値も変わらないのですが、投資家は「シャープの資本金が1億円になる!」というショッキングな報道から、売却(又は空売り)という行動に出たわけですね。

資本金を1億円にまで減額して、その額を利益剰余金に振り替えるということは、

それだけ利益剰余金が増加して、配当金として支払える額が増える

ということを意味します。

ですから、シャープ株主にとっては、今回の減資はむしろプラスの影響の方が大きいとも考えられます。

でも、株価は下がる。

株式市場は、難しいものです。

 

繰り返しになってしまいますが、減資によってシャープの株主資本の額は変わらず、財政状態・経営成績に影響を及ぶことは有りません。

したがって、今後、メインバンク等の取引銀行からの支援や資本政策が固まって、シャープの経営再建への道筋が見えてきたら、

株価は上がっていくかもしれません。

 

ただ、こういう私の予想は

大抵の場合、外れますので要注意です。


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