鴻海(ホンハイ)のシャープ支援・資本提携・出資は買収目的か?

シャープリストラ

台湾の鴻海(ホンハイ)がまたシャープ支援を検討中。支援の目的は買収?

経営難が続き財政状態も悪化、リストラ実施の発表を先日行ったシャープですが、新たな話題が登場。

それが、台湾のEMS世界大手企業「鴻海(ホンハイ)」による経営支援・出資です。鴻海は、Apple社などを顧客に持つ、売上高10兆円規模の超大企業。

2012年にシャープが巨額の純損失を計上し、財政状態が最悪になった時にもこの鴻海(ホンハイ)は登場し、出資による経営支援の申し出を行いましたが、その際には破談となっています。

今回の鴻海によるシャープ支援・出資は実現されるのでしょうか?

(画像引用元:By Otsu4 (Own work) [GFDL, CC-BY-SA-3.0 or CC BY-SA 2.5-2.0-1.0], via Wikimedia Commons

鴻海のシャープへの出資・資本提携について報じているのが、こちらのニュース↓(一部引用。引用元:Yahoo!ニュース

台湾・鴻海精密工業(ホンハイ)のテリー・ゴウ(郭台銘)董事長は経営再建中のシャープに対し、出資をともなう経営支援を提案する意向を、週刊東洋経済の取材の中で明らかにした。

早ければ3月中にもシャープと主力取引行(三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行)に、意向を伝える見通し。

・・・中略・・・

このスクープインタビューは、3月23日(月)発売の週刊東洋経済(3月28日号)に掲載されている。シャープ、金融機関は、ホンハイからの”ラブコール”にどう応じるのだろうか。

鴻海トップのテリー・ゴウ氏のインタビューの詳細は、23日発売の東洋経済を読まなければ分かりません。

しかし、テリー・ゴウ氏が検討しているシャープ支援策の内容をある程度推測できることは出来ます。

この記事では、鴻海によるシャープ支援の内容を推測するとともに、その支援がシャープに与える影響について検討することにします。


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鴻海のシャープ支援の内容って?

今回の鴻海によるシャープ支援の内容は、ずばり

出資

です。当たり前ですが。

出資は、第三者割当増資の形で行われるのではないでしょうか。

シャープが行うと発表したリストラについて取り上げた記事、『シャープ、2015年6,000人リストラ実行の背景・理由は?業績の推移も紹介。』でも紹介していますが、

2015年3月期の第3四半期の四半期報告書を見ると、シャープの自己資本比率は現在10.8%とかなり落ち込んでいます。

さらに、流動負債(短期的に返済しなくてはならない債務)は約1兆5,700億円もありますが、すぐに換金できる当座資産(現金預金・売上債権等)の金額は8,000億円~1兆円しかありません。

つまり、シャープは今、

お金に困っている状態

にいるわけです。

財政状態を改善するために、シャープは銀行に対して1,500億円程度の金融支援を要請しているわけです。

その金融支援の内容も、デット・エクイティ・スワップ(DES)という、負債を資本に変えるという「飛び道具」ですから、シャープがいかにカネに困っているかが分かります。

業績が低迷し続けているシャープの株式に魅力はそれほどありませんので、銀行もすんなりと金融支援に応じるわけではなく、追加のリストラ・人員削減をシャープに迫ったと言われています。

 

そこに、資金を潤沢に持った企業である鴻海(ホンハイ)が

シャープさん。お金いりますか?ワタシ、イッパイ持ってるヨ。

と近づいてきたらどうでしょうか。つまり、鴻海による出資の提案です。

シャープとしては、黒字を達成しても借金が返せなくて倒産する、「黒字倒産」の危険性まで考えられる財政状態です。

お金は喉から手が出るほど欲しい状況と言えます。

 

2012年に鴻海がシャープに支援(出資)を提案したときは、まだシャープのメインバンクの銀行達が助けてくれました。

しかし、銀行の支援後も、シャープの経営難は続いてしまいます。

銀行としては、

「そろそろしっかりして欲しい。本当に自力で経営再建出来るの?」

と思っているでしょうから、シャープへの金融支援も乗り気では無い。

銀行に頼りきれない以上、今回は、鴻海の出資の提案をシャープはムゲに断れないと考えられます。

 

鴻海のシャープへの出資の規模は?

では、鴻海のシャープへの経営支援の内容が「出資」であると仮定して、その出資額・出資の規模はどの程度になるのでしょうか。

出資額は、

財政難のシャープが「一息つける」規模

になると考えられます。

シャープの自己資本比率は直近の四半期で10.8%と、依然として低水準にあります。

財政の健全性の目安としては、自己資本比率は20%以上であることが望ましい、と一般的には言われています。

今のシャープの総資本額は約2兆2,000億円です。そのうち、資本(純資産の部)は2,500億円程度。

この状態から、自己資本比率を20%に改善するためには、

第三者割当増資によって株主資本を3,000億円程度増やすことが必要となります。

そうすると、自己資本比率は

(2,500億円+3,000億円)/(2兆2,000億円+3,000億円)=約20.3%

になります。

つまり、鴻海の出資・支援のみによってシャープの財政状態を一気に健全化するとなれば、

鴻海によるシャープへの出資の規模は、3,000億円程度になる

と推測できます。

あくまでも私の推測であり、前後する可能性はもちろんあります。

また、銀行による1,500億円の金融支援(デット・エクイティ・スワップ)が実行されれば、鴻海による出資額も低下することが予想されます。

 

仮定の上に仮定を乗っけるハナシをして恐縮ですが、鴻海の出資額が3,000億円規模になるとして、

その出資がシャープの経営に与える影響・インパクトはどのようなものになるのでしょうか?


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鴻海のシャープ支援は、事実上の買収になる?

予め断っておきますと、私はバックグラウンドを会計に持ちますが、株式投資やデュー・デリジェンスについては全くの門外漢です。

今からお話することは、素人の戯言だと思ってください。

 

まず、鴻海のシャープへの出資額が3,000億円規模になると仮定します。

そして、その出資の際に鴻海に割り当てられる株式の数は、株式市場の時価のレベルからかけ離れることはないはずです。

ここで、Yahoo!ファイナンスを参照して、シャープの株式の時価総額を確認てみます。

すると、シャープの2015年3月20日時点の時価総額は、

404,889百万円

であることが分かります(数字はコピー・アンド・ペーストで記載)。表記が分かりにくいですが、約4,000億円です。

この状態で、鴻海が3,000億円分のシャープの株式を増資に応じることで取得するとしますと、

単純計算をすれば、鴻海は、シャープの発行済株式総数の

3,000億円/(3,000億円 + 4,000億円)
=42.8%

もの株式を保有することになります。

つまり、鴻海は今回の「支援」によって圧倒的な大株主となるわけです。

これでは、支援というよりも「買収」と言っても過言ではありません。

そう考えると、鴻海のシャープ支援の表明は、シャープ買収の表明に他ならない?

と邪推することも出来ます。

 

ここまでのお話は、仮定の上に仮定を重ねたものですから、話半分・参考程度にしていただきたいですが、

そこまで的はずれな推定・推算では無いはずです。

 

2012年の鴻海の支援表明の際には、支援要請先を多極化することで、シャープはかろうじて「身売り」する事態を避けることができました。

しかし、今回は、前回よりもシャープの状況は悪化しています。

日本を代表する大企業であるシャープが、台湾企業である鴻海の傘下に入ることも覚悟しないといけないかもしれません。


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