シャープ、2015年6,000人リストラ実行の背景・理由は?業績の推移も紹介。

シャープリストラ

シャープが6,000人規模のリストラを発表。実施は2015年中?

業績不振に苦しむ家電大手のシャープが、6,000人規模のリストラ(人員削減)を行う方針であることがわかりました。

それを伝えるのがこちらのニュース↓(一部引用。引用元:Yahoo!ニュース

経営再建中のシャープは、グループ従業員約5万人の1割強にあたる6000人規模の人員を削減する検討に入った。

シャープの業績悪化は米国でのテレビ事業が一因だ。このため、北米の販売会社(2000人強)を縮小するほか、メキシコ工場(2000人弱)などの売却・閉鎖も検討しており、現地で採用している社員の大半を削減する。

シャープが今回行う6,000人規模のリストラ・人員削減は、北米・中米の従業員が対象のようですが、気になるのは日本人社員の削減が行われるのかどうか?という点です。

(上記画像引用元:”Sharp Head Office” by Otsu4投稿者自身による作品. Licensed under CC 表示-継承 3.0 via ウィキメディア・コモンズ.)

ニュース記事では

さらに国内でも人員減に踏み切る方向だ。採用抑制や退職による自然減などで人員削減を進める考えとみられる。

と書かれています。

  • 新規採用抑制
  • 退職

などの自然減で日本における従業員の人員削減も行う方針のようです。

しかし、北米・中米の従業員を全て解雇しても、4,000人程度です。目標の6,000人に到達させるために、日本人従業員のリストラも行われる可能性は捨て切れません。

それにしても、最近の電機業界各社の明暗はくっきりしています。

重電である日立・東芝は好調。

軽電であるソニー・パナソニック・シャープは伸び悩む。

という感じです。日本製だからといって家電が売れる時代は終わり、発電設備等のインフラが売れる時代になってきたのでしょうか。

シャープといえば「薄型テレビ」が有名ですが、そのテレビが業績不振の原因なのですから、業績回復までの道のりは一筋縄ではいかないようです。

そこで、シャープのここ数年の業績の推移について、シャープの2014年3月期の有価証券報告書を元に整理してみることにします。


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シャープ、近年の業績(売上・純利益等)の推移

2011年から2014年のシャープの主な業績項目の推移は以下の通りです(参照元:シャープ有価証券報告書

 2011年2012年2013年2014年
売上高2兆…†7,559億円3兆…†219億円2兆…†4,785億円2兆…†9,271億円
当期純利益194億円▲3,760億円▲5,453億円115億円
利益剰余金6,489億円2,599億円▲2,909億円1,350億円
自己資本比率35.6%23.9%6.0%8.9%
従業員数55,580人56,756人50,647人50,253人
業績の推移を整理して、ぱっと見で目立つのは、やはり2012年、2013年の当期純損失です。

2年合わせて、9,200億円という巨額の純損失です。

この急激な業績悪化へ対応するため、2013年には大規模なリストラを行い、57,000人程度いた従業員を6,000人削減していることがわかります。

2014年3月期(前期)には黒字化を果たしていますが、まだまだ「業績回復」とはいえないのは明らかです。

 

何よりもまずいのが、自己資本比率の水準です。

自己資本比率は20%程度あれば、「財政は健全である」と判断されることが多いですが、シャープの自己資本比率は一時6%程度にまで落ち込みました。

前期に若干持ち直したものの、まだ8.9%と以前低い水準にあります。


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シャープ2015年リストラの背景・理由

今回、シャープが2015年に追加のリストラ6,000人に踏み切る背景・理由には、この低い自己資本比率の存在があると考えられています。

それを伝えるのがこちらの記事(一部引用。引用元:Jcast

シャープは2015年3月5日、2行に対して1500億円規模の資本支援を求めた。具体的には、借金の一部を、返済せずにシャープの優先株など株式に交換してもらう「デット・エクイティー・スワップ(DES)」という手法を想定している。

財務の健全性を示す自己資本比率は10%程度で、健全の目安とされる20%を大きく下回っており、資本不足のため、追加のリストラも十分にできない状態だ。

・・・中略・・・

(銀行が提案を受け入れるためには)確実に実現可能な再建計画をシャープが打ち出すことが、最低限の条件となる。

上で整理したように、シャープの自己資本比率は相当に「ヤバイ」状態です。

この低すぎる自己資本比率をなんとかしなければ、身動きの取れない状態になり、経営再建が進みません。

そこで、銀行からの借金を資本に変えてしまう「飛び道具」がデット・エクイティ・スワップ(DES)です。

銀行からしてみれば、シャープに対する債権という資産が、株式という資産に変わるわけです。

資本金は、債務と異なり返済の必要がありません。

その代わり、銀行が株式を持ち続ける限り、配当金を支払う必要があります。

シャープにとっては、返すのがしんどい借金が資本金になれば、短期的にはとてもうれしいわけです。

しかし、銀行にとってみれば、貸付金という債権がシャープの株式になるのですから、株式を売却しない限りは資金の回収は困難です。

債権を株式化した後に、シャープの業績が回復して、株価が上がれば万々歳ですが、そううまくいくとも限りません。

つまり、銀行にとってはあまり良い話ではない、と言えそうです。

 

そのため、銀行がデット・エクイティ・スワップの提案を受け入れる代わりに、シャープに要求したのが、追加のリストラ人員削減だったと考えられます。

つまり、シャープの今回2015年のリストラ・人員削減の理由と背景には、低すぎる自己資本比率の存在があるといえます。

 

デット・エクイティ・スワップを実行すれば、自己資本比率は一時的に上がりますが、

業績不信が続き、純損失がまた続けば、また自己資本比率は低下してしまいます。

 

シャープの経営再建の道のりは、まだまだ遠いようです。


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