チュニジアテロの犯人はイスラム国?チュニジアの治安は?

チュニジア地図

チュニジアで発生したテロで日本人が死傷。犯人はイスラム国?

チュニジアで武装組織が博物館を襲撃し、観光客が犠牲になりました。犠牲となった観光客の中には、日本人が複数名含まれているとのことです。

(画像引用元:By A_large_blank_world_map_with_oceans_marked_in_blue.svg: Adnan Kderivative work: AdnanK [Public domain], via Wikimedia Commons

シリアで日本人拘束・殺害の悲惨な事件が起こったばかりですが、また日本人が海外でテロの犠牲になってしまいました。

今回のテロを伝えるのがこちらのニュース記事↓(一部引用。引用元:Yahoo!ニュース

チュニジアの首都チュニスのバルドー博物館で18日、銃を持った武装集団が外国人観光客らを襲撃し、同国のハビーブ・シド首相によると、日本人5人を含む外国人17人とチュニジア人2人が死亡した。

・・・中略・・・

チュニジアでは2011年に政変が起き、リビアやエジプト、シリア、イエメンなどに波及した「アラブの春」の発端となった。チュニジアでは政変後、新憲法の施行や議会選が行われ、混乱の続く他国と異なり民主化のモデルとなっていた。

チュニジアの治安部隊は、米政府がテロ組織に指定するイスラム過激派組織「アンサル・シャリア」などと衝突したことはあったが、過激派の攻撃はアルジェリアとの国境近くなどに限られていた。

このニュース記事では、「博物館を襲撃した」となっていますが、実際には、

  • 武装組織が(博物館に隣接する)国会議事堂を襲撃、治安当局と銃撃戦になる。
  • 武装組織は銃撃戦の後、国会議事堂の外に出て、付近にいた観光客に発泡。
  • その後、博物館に逃げ込み、観光客約10人を人質に取る。
  • 立てこもりの2時間後、治安部隊が突入して人質を解放。武装組織の2人を殺害。

という流れです。

この流れを確認できるのがこちらのニュース↓(一部引用。引用元:YOMIURI ONLINE

地元ラジオなどによると、武装集団は国会議事堂内で治安当局と銃撃戦になった。その後、議事堂を出て付近にいた観光客に向けて銃を乱射。博物館内に逃げ込み、観光客約10人を人質にした。

武装集団はまず、国会議事堂を襲撃。その後に博物館に逃げ込む際に、観光客に対して発泡したうえ、人質に取って立てこもったと考えられます。

国会議事堂が襲撃されるくらい、チュニジアの治安は悪いのですね。

また、今回のテロで犠牲になった日本人の人数は、チュニジア首相の発表では5人、日本の外務省が把握しているところでは1人と、まだ正確な情報が掴めていないのが現状のようです。


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チュニジアテロの犯人は?イスラム国か?

チュニジアで起こった今回のテロの犯人についてですが、どのニュースにも「武装集団」としか書かれていません。

今のところ、犯行声明が出されていないのか、武装集団が何者か?把握できていないようです。

しかし、チュニジアの国境付近では頻繁に襲撃事件が起こっており、その襲撃の主体はイスラム過激派組織「アンサル・シャリア」と言われています。

今回の博物館襲撃の犯人も、このアンサル・シャリアという過激派組織である可能性もあります。

また、今回のテロの犯人が自らを「イスラム国」と名乗る可能性もあります。

「イスラム国」を自称するイスラム過激派組織は、シリア・イラクの組織だけではなく、他のイスラム諸国にも数多く存在します。

「イスラム国」は、アル・カイーダと同様に、過激派組織の「ブランド」のようなもので、世界に散在するイスラム過激派組織が「イスラム国」を名乗って犯行をする事例が相次いでいます。

ですから、今回のチュニジアのテロも「イスラム国」の犯行となる可能性は十分にあります。

 

さて、チュニジアについてリサーチをしていくなかで、チュニジアは「アラブの春」「ジャスミン革命」で民主化を達成したのにもかかわらず、イスラム国への参加者が後を絶たないという状況が続いているそうです。

チュニジアのテロの背景は「アラブの春」か

「アラブの春」とは、2010年~2012年にかけて、アラブ諸国で起こった民主化運動・騒動の総称です。

この民主化運動によって独裁政権が崩壊し、民主化が達成された国は複数あります。

チュニジアは、このアラブの春の発端となった民主化運動が起こった国で、その民主化運動は「ジャスミン革命」と呼ばれていることは結構有名ですね。

しかし、このジャスミン革命が、チュニジアの過激派組織の台頭を許している、という状況があります。

どういうことか?ですが、分かりやすく簡潔に流れを整理すれば、以下の通りになります。

  • チュニジアを独裁していた大統領は、厳格なイスラム原理主義者の活動を厳しく制限していた。
  • ジャスミン革命によって独裁政権が崩壊し、民主化が達成されると、イスラム原理主義者の活動は制限されず、自由に。
  • 一部のイスラム原理主義組織が、イスラム過激派組織になり、各地で襲撃を行う

という流れです(参照元:NHK国際報道2015)。

民主化の達成によって「国民の自由」に向けて歩みだしたのに、それが過激派組織の台頭を許し、チュニジアの治安をかえって悪化させる、という皮肉な結果になっていると言えます。

実際に、ジャスミン革命以降、イスラム原理主義組織の活動が活発化した結果、チュニジアの若者が一部の過激なイスラム原理主義に感化され、テロ組織であるイスラム国に参加することが頻繁に起きているそうです。

今回の過激派組織・武装集団による博物館襲撃も、このようなイスラム原理主義者の台頭が背景にあることは間違いないようです。

アラブの春によって、その国を長年にわたって安定的に治めてきた独裁者が消えたことにより、武装組織が台頭して治安が帰って悪くなった地域・国はたくさんあります。

独裁=悪

という、現代の絶対的な価値観が、かえって人々の生活を脅かしているのが、皮肉なところです。


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チュニジアの治安の状況は?

チュニジアは、美しいビーチがあるなど、観光地として素晴らしいところですが、治安の懸念は以前から存在していました。

外務省の「海外安全ホームページ」では、チュニジアの各地について

  • 渡航の延期をお勧めします。
  • 渡航の是非を検討してください。
  • 十分注意してください。

と、渡航に際して注意喚起を行っていました。

国境付近は特に治安が悪く、「渡航の延期をお勧めします」となっていました。

今回のテロで、この注意喚起のレベルは引き上げられることになると思います。

 

イスラム国の台頭の背景には、アラブの春という民主化運動があったということは、結構意外です。

イスラム国の勢いを削ぐためには、アラブ諸国の治安の回復・若者の不満の解消が不可欠になると考えられます。

いくらイスラム国を名乗る組織を掃討しても、アラブ諸国の各地から、またイスラム国を名乗る組織が現れるからです。

解決には、やはり長期的な対策が必要になると言えそうです。


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