ダルビッシュのトミー・ジョン手術が無事成功。良かった!
右肘の靭帯部分断裂の治療のため17日に行われた、ダルビッシュ有投手のトミー・ジョン手術が無事成功したそうです。良かった良かった。
それを伝えるのがこちらのニュース記事↓(一部引用。引用元:Yahoo!ニュース)
右肘靭帯の再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けたレンジャーズのダルビッシュ有投手が、自身のツイッターで手術成功を報告した。
・・・中略・・・
トミー・ジョン手術は復帰まで1年から1年半を要するされており、2015年中の復帰が絶望となった右腕は、2016年シーズンの完全復活を目指す。
トミー・ジョン手術の成功についてのダルビッシュ有投手のツイートがこちら↓
無事終わりました。 パワーを送ってくださった方々、本当にありがとうございました!
— ダルビッシュ有(Yu Darvish) (@faridyu) 2015, 3月 17
いや、トミー・ジョン手術が成功して、ひとまず本当に良かったです。
トミー・ジョン手術のリハビリは長く、短くとも1年間はかかると言われていますが、ダルビッシュ投手にはゆっくり・じっくりとリハビリをしてもらって、来季に完全復活を果たして欲しいものです。
さて、今回ダルビッシュ投手が受けたトミー・ジョン手術についてリサーチしていると、気になる情報が。
もしかしたら、今回のトミー・ジョン手術によって、ダルビッシュ有投手がさらなるパワーアップを果たせるかも!?というものです。
どういうことかというと、トミー・ジョン手術を受けた投手は球速が上がる、という情報です。
まずは、トミー・ジョン手術について簡潔に整理してみることにします。
トミー・ジョン手術とは?
今回ダルビッシュ投手が右肘靭帯部分断裂の修復のために受けた手術は、トミー・ジョン手術と俗に呼ばれています。
トミー・ジョン手術とは、以下のように説明されています(参照元:Wikipedia)
トミー・ジョン手術(英: Tommy John Surgery, 側副靱帯再建術)は肘の靱帯断裂に対する手術術式。
1974年にフランク・ジョーブによって考案され、初めてこの手術を受けた投手トミー・ジョンにちなんでこう呼ばれている。投球の際にひじの側副靭帯に大きな負担がかかる野球の投手が受けることの多い手術である。
肘の靭帯が断裂した際に、その靭帯を修復する際に行われる手術がトミー・ジョン手術、ということですね。
トミー・ジョン手術の具体的な手法については、
傷した靱帯を切除したうえで、患者の反対側の前腕(長掌筋腱など)や下腿、臀部、膝蓋腱などから正常な腱の一部を摘出し移植することで患部の修復を図る。
と説明されています。
要は、身体の他の正常な部位(前腕、おしり、膝など)の靭帯を、断裂した肘の靭帯に移植する手術ということだと思います。
結構な大手術となるようです。
このトミー・ジョン手術ですが、ダルビッシュ有投手以外にも、受けた日本人選手は結構います。
トミー・ジョン手術を受けた主な日本人選手
トミー・ジョン手術を受けたことのある主な日本人選手としては、
- 藤川球児投手(2013年)
- 田澤純一投手(2010年)
- 大塚晶則投手(2008年、2009年、2010年)
- 和田毅投手(2012年)
- 荒木大輔投手(1988年、1989年)
- 桑田真澄投手(1995年)
- 館山昌平投手(2004年、2013年、2014年)
- 五十嵐亮太投手(2007年)
が挙げられます(参照元:同上)。
桑田真澄投手の復活劇とかは記憶に新しいですね。
1回のトミー・ジョン手術で無事復活してその後も順調にプレーを続けられる選手もいれば、その後再び悪化して再手術になる選手もいることが分かります。
ヤクルトの館山昌平投手とかは、度重なる手術に耐え、そのたびに復活していますよね。
こう考えると、トミー・ジョン手術を受けたから心配ない!という感じではなさそうです。
しかし、メジャーリーグではトミー・ジョン手術を受ける選手が多いと言われています。
そしてその背景には、トミー・ジョン手術に関する「ある説」があるのでは?と思われます。
「ある説」とは、
トミー・ジョン手術を受けた投手は、術後に球速が上がる
というものです。
トミー・ジョン手術で球速が上がるって本当?
今回のダルビッシュ有投手のトミー・ジョン手術に際しても、トミー・ジョン手術で球速が上がる!というようなニュース記事があります。
例えばコチラ↓(一部引用。引用元:エキサイトニュース)
この手術の成功率は90%以上で、しかも、プラスアルファがある。レッドソックスの田沢は2010年の春に手術したが、復帰後は球速が最速156キロまでアップ。手術前を上回るパフォーマンスを披露してセットアッパーに定着、昨季まで2年連続70試合以上に登板した。
球速がアップした投手は珍しくなく、ヒジを使えない期間、それ以外の箇所、とくに下半身の強化を図れるので今まで以上に速いタマを投げられるようになるのだ。
このように、トミー・ジョン手術で球速が上がる!という風に書かれています。
本当?と思ったので、更にリサーチをしてみると、
トミー・ジョン手術が球速アップの直接的な原因ではない
ということがわかりました。
「トミー・ジョン手術を受けると球速が増す」という説は、アメリカでも広まっているようで、「怪我が無くてもトミー・ジョン手術を受けるべきだ」と考えている選手や指導者もいるほどです。
しかし、米専門機関(セイバーメトリクス会議・アメリカスポーツ医学研究所)の最新の研究データでは、
トミー・ジョン手術を受けた投手の術後の球速は、平均で1.2km~1.4km/hほど低下する
ということが統計的に示されています(参照元:同上)。
このデータを見る限り、「トミー・ジョン手術を受けると球速が増す」というのは正しくない、と言えます。
ただ、トミー・ジョン手術を受けた投手が、復帰後に球速がアップした例は結構あり、レッドソックスの田澤純一投手などがその例です。
しかし、トミー・ジョン手術の術後の球速アップは、手術それ自体のおかげではなく、術後に1年~1年半もの長期間にわたるリハビリと他の部位(下半身等)の徹底的なトレーニングが、球速アップの要因と考えられています。
投手は下半身が肝心
とよく言われますが、トミー・ジョン手術のあとのリハビリ期間に、徹底的に下半身を鍛える投手が多いため、球速が結果的に上がるわけですね。
このように、
トミー・ジョン手術を受けると球速が上がる
というのは、ある意味間違っていて、ある意味正しい、と言えます。
ダルビッシュ投手のストイックさから考えると、トミー・ジョン手術のあとのリハビリ期間中も手を抜かないでトレーニングをしまくるでしょうから、ダルビッシュ投手の球速も上がるかもしれませんね。
いずれにしても、焦らずにじっくりと右肘を回復させて、リハビリに頑張って欲しいですね。
来季には、夜のスポーツニュースでダルビッシュ投手のさらなる活躍を見られることでしょう。
個人的には、昨季に達成直前まで行ったノーヒットノーラン、来季に達成してもらいたいですね。