大塚家具内紛はどっちが勝者に?内紛の構図を整理してみた。

大塚家具内紛01

大塚家具内紛の拡大で社員は大迷惑?
【画像:大塚家具本社I, Ryoma35988 [GFDL, CC-BY-SA-3.0 or CC BY-SA 2.5-2.0-1.0], via Wikimedia Commons

違法献金にまつわる 政治とカネ問題とともに、TVで最近良く目にするのが、大塚家具のお家騒動・内紛です。

このブログmjdsk.jpでは特に取り上げてこなかったのですが、少し調べてみると面白かったので記事にしてみます。

 

大塚家具」といえば、日本人であれば誰でも知っている大手家具会社ですが、われわれ庶民にはかなりお高い価格設定ですから、そうそう気軽に買えるものではありません。

笑い話ですが、私が大学生の頃に大塚家具をよく知らずに、「何か良さ気な本棚でも無いかな~♪」とショールームに入ってしまったことがあります。すぐに場違いだと分かり、恥をかきました。

そんな庶民とは無縁!?の大塚家具家具ですが、社内の内紛が拡大して長引き、思わぬ形でわれわれ一般人の注目を浴びることになっています。

この記事では、そんな大塚家具の内紛の理由・原因と経緯についてまとめてみました。


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大塚家具内紛の経緯のまとめ

歴史上の戦もそうですが、争い事を知るためには、それぞれの陣営の登場人物について知る必要があります。

そこでまず、内紛に関わっている大塚家具創業一族の家族構成をリサーチしてみました。

大塚家具、創業一族の家族構成は?

  • 大塚勝久元会長(大塚家具創業者)
    1943年生まれ、71歳。桐箪笥職人だった父の下で修行を積み、大塚家具を設立。そのワンマン経営の手法で、一代で上場企業へと成長させた功労者。元大塚家具会長。
  • 長女:大塚久美子氏(現大塚家具社長)
    1968年生まれ、47歳。一橋大学経済学部卒。旧富士銀行(現みずほ銀行)に総合職として入行後、1994年に大塚家具に入社。社長就任・解任を繰り返すも、現在は同社社長の地位にいる。
  • 長男:大塚勝之氏(現大塚家具専務)
    1969年生まれ、45歳。1992年大塚家具入社後、エリート街道まっしぐらで、大塚家具専務取締役。
    父・大塚勝久会長陣営につく。
  • 次女:大塚舞子氏、次男:大塚雅之氏、三女:大塚(現姓:佐野)智子氏
    詳細は省略しますが、長女・久美子社長陣営につく

という感じです。

大塚勝久元会長陣営には、長男の大塚勝之専務が付く一方、

大塚久美子社長陣営には、次男・次女・三女やその配偶者が付いています。

単純に陣営の人数の面では、久美子社長の陣営に分がありますが、人数はあまり関係かもしれません。

 

大塚家具内紛の陣営の構成について整理したところで、次に、大塚家具で勃発した内紛の経緯についてまとめてみます。

大塚家具内紛の経緯

  •  創業者である大塚勝久氏の下、大型ショールームを全国展開し、会員制の一対一接客の業態で業績を伸ばすも、2000年頃を境に売上が横ばいになってしまう。さらに、IKEAやニトリといった低価格の家具会社が人気をさらい、業績が低迷。
  • 2009年に大塚勝久氏が社長を退き会長に就任。長女の久美子氏が社長に就任。
    業績回復のために「高くて気軽に入れない」という大塚家具のイメージを一新し、IKEAのちょっと上というポジションを目指す。会員制は残しつつ、一対一接客のスタイルは徹底せず。
  • しかし、大塚久美子社長の経営になっても売上は伸びず。
  • 2014年7月、見かねた大塚勝久氏が社長の座を奪う。つまり、大塚勝久氏が社長に再び就任。
    再び、会員制の一対一接客のスタイルを徹底させようとする。
  • しかし、大塚勝久氏が社長になっても売上は伸びず。むしろ来客数は20%減少、4年ぶりの赤字となってしまう。
  • 2015年1月、業績悪化を理由に、久美子氏は勝久氏の社長退任を求めて株主提案を実行。
    それを受けて取締役会は、勝久氏の社長退任・会長専任と久美子氏の社長就任を決定。
  • 2015年2月、業績悪化を理由に、勝久氏は会長職からも任を解かれることに。
  • 2015年2月17日、会長職を退いた勝久氏は、株主提案を行い「久美子氏の社長退任、勝久氏の会長就任」を求める。
  • 【現在】 2015年3月27日に開かれる大塚家具株主総会で、勝久氏が株主提案した「久美子氏社長辞任、勝久氏の会長再任」の可否が、議題に上がり採決されることに。
    株主総会の議決に向け、両陣営が「委任状争奪戦」、いわゆるプロキシーファイトを繰り広げている真っ最中(プロキシーファイトについては後述します)。

なんだか、父娘ゲンカを会社レベルでやっている感じですよね。一言で言ってみれば。しかし、当人達は、本気です。

 

勝久氏が行使した株主提案権って何?

上記の経緯のなかに、「株主提案」という単語が度々出て来ましたので、株主提案について少し説明します。

株主提案権とは、以下の3つの権利のことを指します。

  • 議題提案権(会社法303条)
    6ヶ月以上前から議決権の1%以上または300単元以上保有し続けた株主は、取締役に対し、一定の事項を株主総会の目的とすることを請求することができる。
    → 今回、元会長の勝久氏は、議決権の1%以上の株式を長年保有していますから、この権利を持ち、「現経営陣の刷新」を議題にした株主総会の開催を要求することが出来ました。
  • 議案提案権(会社法304条)
    議決権のある株主は、株主総会の場において株主総会で議決すべき議案を提出することができる。
    議題と議案の違いが分かりにくいですが、議案とは、例えば今回行われた「現経営陣の刷新」という議題に対する「案」として、「久美子社長の退任と勝久氏の会長再任」という議案を提案できるということです。
    勝久氏は、今回、議題提案権と議案提案権の両方を行使したことになります。
  • 通知請求権(会社法305条)
    303条を行使した株主は、総会の8週間前なら株主総会招集通知にその提案の要領を記載することを請求することができる。
    → 今回は、株主総会の8週間以内の株主提案なので、招集通知への記載は請求出来ないと思われます。

大塚家具は同族会社ですから、創業者一族が株主を大量に保有しています。

大塚勝久氏前会長の保有する同社株式の割合は発行済株式総数の18%と、筆頭株主となっていますから、その株主としての影響力は半端ないものがあります。

今回の株主提案も、当然の権利として行使したまで、といえます。

このように、同族会社である大会社・上場会社では、創業者一族が大量の株式を保有しているため、今回のような株主提案が起こりやすく、一般の株主はその度に巻き込まれることになります。

内紛は、委任状争奪戦(プロキシー・ファイト)に発展

さて、勝久氏の提案である「久美子社長の退任、勝久氏の会長再任」という議案が、3月の株主総会で採択されるかどうかは、当然ですが、議決によってきまります。

基本的に、1株式1議決権となっていますから、より多くの株式を持っている陣営が自分たちの議案を通すことが出来ます。

創業者一族がいくら大量の株式を保有しているといっても、過半数である51%超の株式を保有しているわけではありません。

ですから、大塚家具の内紛の両陣営は、他の株主達に、

「自分たちに賛成して!」

「賛成してくれるなら委任状ちょうだい!」

と言って回っているのです。

委任状とは、議決権の行使を委任する書状のことで、これを入手すればその株主の議決権を行使することが可能になります。

つまり、委任状を出来るだけ多く集めて、51%超の議決権を集めた陣営が「勝ち」ということになります。

今まさに、両陣営は、大株主達に委任状をもらいに奔走している最中だと思います。

この競争のことを、委任状争奪戦、プロキシーファイトと呼びます。

内紛を受けて、大塚家具の株価も急上昇

今回の大塚家具の内紛を材料に、大塚家具の株価は急上昇しています。

2月初旬には1株あたり1,000円前後だったのが、昨日2月27日には1705円とストップ高になっています。

大塚家具の株価は「Yahoo!ファイナンス ㈱大塚家具」でご覧いただけます。

 

株価が急上昇している理由は、

大塚家具の元会長陣営と社長陣営が、プロキシーファイトと合わせて株式の買い集めもおこなうだろう

という予想からだと推測されます。

本当に両陣営が株式を市場で買い集めているのか?は分かりませんが、その可能性は否定できません。

そのため、株価が急騰しているのだと考えられます。一度株価が上がりだしたら、しばらくはその勢いは止まらないものです。

どこまで大塚家具の株価が上がるのか?要注目です。もしかしたら今回の相場で一儲け出来るかもしれません。

 

さて、ここまでは、大塚家具で繰り広げられている内紛の経緯について整理しましたが、

次は、大塚家具内紛の理由と原因について分析してみます。


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大塚家具の内紛の理由・原因とは?

今回、大塚家具の社長の座を巡るの内紛がここまで拡大し、長期化している理由・原因は、大きく2つのものがあると考えます。

それは、

  • 接客方法、目指す経営方針の相違
  • 父娘間、創業一族間の確執

の2つです。

接客方法と目指す経営方針の相違が内紛を呼んだ

まず、大塚家具の接客方法・目指す経営方針の相違について。

勝久元会長陣営は、大塚家具が成長を遂げてきた当時の接客方法と経営スタイルに戻すことを考えています。つまり、

  • 会員制の1対1接客方法
  • 今までどおりに高級家具を取り扱う。富裕層をメインターゲットにする

というものです。

会員制の一対一接客という接客方法は、大塚家具の急成長を支えた接客スタイルですから、勝久氏はこの接客手法に絶対の自信を持っているのでしょう。

それとともに、「ニトリやIKEAみたいに、大衆向けの家具なんか売っても儲からん!!」と考えているのではないでしょうか。

一方、現社長・久美子氏陣営は、大塚家具が採用してきた1対1対応方式の接客方法から普通の接客スタイルにシフトし、顧客層もより一般層をターゲットにしてきたい、そう考えていると思われます。つまり、

  • 会員制、1対1接客方法の取りやめ or 縮小
  • 大衆向け家具の取扱いの拡大

ということですね。

現に、久美子社長は、「IKEAと同価格帯で、IKEAより高品質のものを」という発言をしていますから、目指す経営スタイルは、「古き良き大塚家具」のそれとは全く異なるものだと考えられます。

どちらが、大塚家具の業績回復に繋がるのか?は難しい所ですが、私自身の私見では「どちらでも厳しい」と考えています。

その理由を箇条書きにすると、

  • デフレが進んだ日本は、低価格・「中」品質の商品を好むこと(つまり、IKEAの商品)
  • 「大塚家具は高い」というイメージから脱却するのには時間がかかること
  • かといって、高級路線で突き進んでも、富裕層が縮小している日本では厳しい
  • ネットで家具も買える時代に、一対一接客は時代遅れ

という感じになります。

これまた私見ですが、大塚家具は富裕層がものすごいペースで拡大している中国に本格的に進出して、いわゆる「爆買い」をする金持ちの中国人をメインターゲットにすると、売上は一気に伸びると思います。

カネを持っている中国人は、良いモノにはいくらでもカネを払いますので。

 

次に、私が大塚家具内紛の理由・原因と考えているもう1つ、「父娘間の確執」・「創業一族間の確執」について。

結局のところ、父娘ゲンカの大規模版!?

少し過激な小見出しとなりましたが、今回の大塚家具の内紛問題の本質的な原因は、親子間の確執だと私は考えます。

経営方針や採るべき接客方法に意見の相違があっても、仲が良くてコミュニケーションのきちんと取れる父娘であれば、直接話し合って、意見のすり合わせが行われるはずだからです。

そういう仲であれば、父親である勝久氏が株主提案権を行使するような、きな臭いことにはならないからです。

結局のところ、父娘仲が悪すぎる

これが、内紛の原因だと思います。

現に、勝久氏は、自分に反対する久美子社長陣営に属する子どもたちのことを指して、

「何人かの悪い子供を作った」

と、発言しています(出典:Wikipedia)。親子間の確執は相当なものと言えるのではないでしょうか。

一般株主と従業員、市場の投資家をも巻き込む、

大規模な親子ゲンカ

と言えるのではないでしょうか。

 

勝久氏陣営と久美子社長陣営のどっちが勝つ?という予想ですが、私は久美子氏側が勝つと考えます。

理由は、久美子氏は現時点では大塚家具の社長であり、プロキシーファイトのために、大塚家具の経営資源をフル活用できるからです。大塚家具という会社の人員・時間・資金を使うことが出来、より多くの委任状をGet出来るのでは?と考えるからです。

ちなみに、こういう私の予想は、大抵の場合外れます。

だから私は株式投資には手を出しません。

今回の大塚家具の内紛問題、あなたはどう思われますか?

というか、どっちが勝つと思われますか?


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