防衛装備庁の新設は、武器輸出促進のため?狙い・目的・問題点は。

防衛装備庁

防衛装備庁新設の狙いは、武器輸出の促進?【画像:防衛省建物】

今朝、Twitterで「選挙権年齢が18歳に引き下げられる」方向で決定したことを知り、

「え?国民の間で議論ってあった?」

と驚いたのですが、さらに国民の議論を経ないまま進んでいく事案が、防衛装備庁の新設です。ちなみに、選挙権を18歳に引き下げることの是非については、こちらの記事『選挙権を与える年齢を18歳に引き下げるメリット・デメリット。というか引き下げろ。』で語っていますので、よろしければどうぞ。

防衛庁が防衛省になるときも、いきなり感が強かったですが、今回の防衛装備庁の新設もかなりのいきなり感です。

(上記画像引用元:”Japan Defense Agency” by Lombroso – Photo taken by Lombroso. Licensed under パブリック・ドメイン via ウィキメディア・コモンズ.)

防衛装備庁の新設に関するニュースがこちら(一部引用。引用元:Yahoo!ニュース

政府は、防衛装備品の開発、調達、輸出を一元的に管理する「防衛装備庁」(仮称)を新設するための防衛省設置法改正案を今国会に提出する。

・・・中略・・・これまでそれぞれが別々に実施してきた装備品調達を一本化することで、組織をまたいだ一括購入や購入計画の立案が可能となり、経費の削減効果が期待される。

ニュース記事では、防衛装備庁の新設の目的と狙いを、「武器調達コストの削減」としていますが、本当にそうでしょうか?

確かに、複数の部署にまたがっていた武器調達に係る管理を一本化できれば、ある程度は武器調達コストを削減できるはずです。

しかし、本当に、武器装備庁新設の目的は、「お金の節約」だけなのでしょうか。

 

私は、そうは思いません。

ニュース記事の冒頭に、「防衛装備品の開発、調達、輸出を一元的に管理する『防衛装備庁』」とあります。

あまりにもさらっと書いてあるので、スルーしてしまいそうでしたが、きっちり「輸出」と書いてありますね。

 

「あれ?日本って、武器輸出出来ないんじゃなかったっけ?」

 

と思ったのは私だけではないはず。

不勉強だったのがいけないのですが、今の日本は、基本的に武器輸出が出来るみたいです。


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武器輸出三原則から武器装備移転三原則に移行していた

学校で習ったのは、おなじみの「武器輸出三原則」ですよね。

武器輸出三原則とは、冷戦時代を背景として規定されたもので、

  • 共産圏や国連決議で武器輸出が禁じられた国、紛争当事国には武器を輸出しない
  • それ以外の国・地域にも武器を輸出することは「慎む」
  • 武器製造のための機械・設備も武器と同等に扱う

というものでした。紛争当事国への武器輸出はもちろんのこと、それ以外の国にも日本は輸出しませんよ、という原則です。

例外的に武器輸出する場合には、その都度特別法を作って対応して輸出していました。

つまり、原則NG、例外OK だったわけですね。

それが、安倍政権になってから、武器装備移転三原則となりました。新しい三原則では、

基本OK、例外NG

となりました。基本的に武器輸出を認め、例外的に禁止される場合を細かく規定する、ということです。

 

なぜ、武器輸出がしたいのか?

日本は、武器を輸出して戦争を助長させたいのでしょうか?

決してそんなことはないと思います。

武器輸出には、武器と同等に扱われる武器製造設備の輸出も含まれています。

現代の兵器製造は、どうしても膨大となってしまう製造コストを少しでも安く抑えるために、複数国で共同で開発するのが主流となっています。

日本が他国と共同で兵器を開発するということは、武器製造のための設備や技術を他国に移転するということを意味しますから、

これまでの武器輸出三原則の下では出来ませんでした。

 

では、日本独自で、日本だけが使う兵器を開発すればいいじゃないか、という話になるのですが、

日本だけで使う分の兵器を作る場合、量産にはならず、製造コストが下がらないという問題がありました。

つまり、日本だけで作ると、とっても高くつく。それなら買ったほうが安い。

ですから、最新鋭の兵器は、基本的にアメリカやヨーロッパから購入してきたのが、これまでの日本です。


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で、近年、中国や韓国との関係が冷え込み、日本の防衛ってこのままでいいの?という感じになってきました。

アメリカの力も相対的に落ちてきているし、日本の防衛は日本だけで行うのが理想的だよね、そのためには、武器も自分で作らないとだめだよね、という流れだと思います。

その一環として、日本も兵器の共同開発に加わりたい。

そのためには、武器輸出三原則が邪魔。じゃあ輸出OKにしちゃおう。名前は武器装備移転三原則。それっぽいよね。

という感じです。

 

そして、武器輸出を基本認めるということは、

日本で製造する兵器を、日本だけでなく他国にも使ってもらえるということを意味します。

そうなると、たくさん兵器が作れます。量産出来るわけです。

そうすると、スケールメリットが効いて、製造コストが下がる。

コストが下がった分は、他のことに使えるし、良くないですか?

ということです。

 

簡単にいえば、安倍政権の考えていることは、以下の様なことだと思います。

  • 長い目でみると、日本の防衛は日本だけで行う必要がある。それが一人前の国のあるべき姿。
  • そのためには、最新鋭の兵器を揃えることが必要だし、自国で兵器を製造できる技術が必要
  • 他国から兵器を買っている現状では、高くつくし、自国の技術水準が上がらない
  • 自分の国で作れるようにしよう。それも安く。共同開発もしたい
  • じゃあ、武器輸出をOKにしよう。
  • 武器輸出OKにしたんだから、それを一元的に管理する組織を作ろう
  • 名前は防衛装備庁がいいね。

ということだと、考えます。

 

「武器輸出」と聞くと、日本が他国の戦争を援助するの?という危惧を抱きますが、

武器輸出を認めた最大の理由は、日本の防衛装備の充実です。

もちろん、他国どうしの戦争に日本が武器輸出という形で加担するリスクはあります。

そうならないように、メディアが政府を監視する役目を負い、私たちもそれを見て議論をすべきだと思うのです。

冒頭で、「いきなり感」がすごい、と言いましたが、私たちがいきなり感を抱く理由は、メディアがきちんと事前に報道をしないからです。

 

政治献金やうちわ問題に国会やメディアのリソースを割くくらいなら、こういう重要な話題に使って欲しいものです。


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